たいていの営業は、日々数字のプレッシャーに追われているかと思います。
「何とかして、受注したい」
商材が汎用品の場合、手っ取り早い方法の一つが他社より安く売ること。
ですが、その先に待つのは、決して望んだ結末ではないかも。
値段で取れるかも…という誘惑
「価格で困ってるんだけど…」
得意先からこんな相談を受けたことがある人、意外と多いんじゃないでしょうか。
扱う商材が汎用品だったり、営業スタイルに御用聞きという側面がある場合、割とこの手の話があるかもしれません。
僕も何度か経験してます。
BtoB取引で、競合他社品と何ら遜色ない商材(というか、ほぼ同じ)。
こちらからの提示価格を○○円にしてくれれば、発注すると言うのです。
営業として、実績が欲しい。
そんな時期だったので、当然ながら心は揺らぐわけです。
安く売ったら注文がきた
会社にもどり、早速コスト計算。
指値で販売しても、赤字にはならない。
新規の受注なわけで、売上と利益額は当然増え、在庫回転率も上がるという算段。
ということで、相手の希望価格通りに見積。
その翌週、さっそく注文が入りました。
決して少ない額ではなかったので、個人の数字にも貢献。
「よかったな!」と声をかけてくれる先輩までいました。
当然ですが、他社も黙っちゃいないわけで
さて、ここまではよかったのですが。
言うまでもなく、どこかのタイミングでこれまで納入していた競合他社は気付きます。
他社の営業「最近注文がないな、もしや、他に取られてる!?」
数字のためなら、取られたら取り返さないとマズい。
そんな訳で、今までの価格は何だったの?と思わず突っ込みたくなるような見積を競合他社が出す。
結果、僕が他社の価格をくぐって獲得した受注は、しばらくして無くなりました。
価格で受注したら、たいてい反撃に遭うので注意
この手の話、全く逆の立場のケースでも、似たような行動パターンになる可能性が高いですよね(短期的な数字が重要視されれば、なおさら)。
こうした攻防が長期利益に繋がりにくいのは、明らかです。
それ以後、価格ありきの話には、よっぽど特殊な状況を除き、対応しないことにしました。
むしろ、そもそも価格競争に巻き込まれないための方策を立てる方が、よっぽど長期的な利益に繋がるはず。
もとからサービスや品質など価格面以外で差別化する。
あるいは扱う商材が汎用品であれば、よほどコスト競争力がない限り、上層部を巻き込んだり、他の材やサービスとあわせてパッケージ化したりと、なるべく上流で勝負する。
口で言うほどラクではないですが、こうした心構えを持っていたいものです。
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